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バス研修旅行に行ってきました。     
大阪南部の古仏をめぐるバスツアー  
和歌山県立博物館友の会           

 24年度最後のバスツアーは大河内学芸員のおすすめスポットを訪れ、個人では見ることのできない仏像を間近でご鑑賞いただきました。日本の仏像研究の第一人者の伊東館長と大河内学芸員に解説していただきました。今回の仏像は奈良~平安~鎌倉時代(7世紀~14世紀)と時代がまたがっており、全体の印象からお顔の表情、身にまとっている物すべてから作られた時代が想定できるそうです。実際に目の前で比較してみてよくわかりました。
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 平安時代でも前期と後期では作風がかわります。前期の体は充実した重々しい表現から後期はしゅっと軽やかに浮いているものが好まれたようです。お顔の表情はきりっとしたどこか緊張感のある印象からやさしい穏やかな印象に、変わってきました。30躯以上の重要文化財の仏像を間近で拝観することができ、胸がいっぱいになりました。
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 孝恩寺(貝塚市木積798)は阿弥陀如来を本尊とする、浄土宗寺院です。鎌倉時代の本堂(釘無堂)は国宝です。境内の収蔵庫内に安置される、平安時代初期の薬師如来坐像や弥勒仏坐像など19躯の仏像(重要文化財)を拝観しました。和歌山とさほど離れていない所に、たくさん残されていたことには驚きました。中庭にはひと足早い山桜が咲いていました。
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 観心寺(河内長野市寺元475)は如意輪観音を本尊とする、高野山真言宗に属する寺院で、空海の弟子実恵によって天長2年(825)に創建されました。本尊の秘仏如意輪観音坐像(国宝)を安置する金堂は南北朝時代の建造物で、国宝に指定され、ほかにも見所が満載でした。境内の霊宝館内に安置される、平安時代初期の宝生如来坐像や弥勒菩薩坐像など多数の重要文化財の仏像を拝観しました。こちらは、白やピンクの梅の花が満開でした。
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 興善寺(泉南郡岬町多奈川谷川1460)は大日如来を本尊とする、天台宗に属する寺院です。文徳天皇の勅願で円仁による創建と伝えられています。戦国時代末期に寺勢が衰えましたが、文禄2年(1593)紀伊藩主浅野氏家臣白樫三郎兵衛が再興、明歴3年(1657)粉河寺僧の専海によって常行堂を建立し、続いて元禄元年(1688)から3年かけて本堂を建立しており、中興第一世とするなど、和歌山と関わりが深いところです。こちらで本堂安置の大日如来坐像、釈迦如来坐像、薬師如来坐像の重要文化財3躯を特別に開帳いただき拝観しました。重要文化財の大日如来坐像(像高288.0㎝)は平安時代(保安元年・1120)に100人以上の結縁で作られ、その名前や年号がお像のなかにかかれているそうです。仏像が起立すると4m80㎝もあるそうで、巨大な大日如来坐像でした。
 今回のバス旅行では最多の35名の方にご参加いただき、本当にありがとうございました。お帰りになった夜、仏像の夢を見られた方がおられたかもしれません。私はとても神聖な気持ちで眠りにつきました。
ありがとうございました。
# by wahaku-membership | 2013-03-30 15:16 | ご報告パート1